私はここで便秘の治療について諸君の注意を引きたい。
頭部で始まり尾骨で終わるこの治療法について述べるのは、上手くいった下痢の治療において、この方法を逆転させる必要があるためであり、それは腰椎部における閉塞と刺激に起因し、場合によっては背部において第四胸椎の高さまで及ぶこともある。この領域全体にわたって、私は極めて徹底的に探査する。
なぜなら、神経のいかなる刺激的・閉塞的状態も、下部腸管の安楽、快適さ、または正常な働きを望むのであれば、決して容認することはできないからである。I draw your attention here to the treatment of constipation,beginning at the head and ending at the coccyx, because of the need of a reversal of this method in a successful treatment of diarrhea, and resulting from obstruction and irritation in the lumbar region, or in some cases in the dorsal up as high as the fourth.
Throughout this region I explore very thoroughly because no irritative, obstructive condition of the nerves can be tolerated with any hope of ease, comfort or normal action of the lower bowels.
栄養補給が十分にできなかったスティル博士の活躍した時代、下痢は生命を奪いかねない危険な症状でした。
コレラや赤痢、腸チフスなどの水系感染症が猛威を振るい、衛生状態の劣悪な都市部では高い死亡率を示していました。乳幼児の「サマー・コンプレイント(夏季下痢症)」は特に深刻で、多くの家庭にとって生命を脅かす恐怖の対象でした。
これに対し当時の北米医学ではアヘン剤で腸の動きを止めたりビスマス化合物などの収斂剤を用いるなどして症状抑制を目標に投薬がなされていました。
なぜ下痢が起こるのかに対する考察も対処もなく、十分な効果を出していたとは言い難かったようです。
スティル博士の名言028でも述べましたが、当時に関する前提知識として、胃腸分泌物の潤滑能によって便がスムーズに流されていると考えられていました(消化液や膵液・胆液など)。
また腰部および胸部の交感神経が腸管の運動と分泌を抑制することは医学界で既に知られていました。
そこで多分「下痢の治療は潤滑液の蛇口を下から順に閉めよう。しかもそれは同時に腸管の動きも下から抑制することにもなる。」と考えたのではないでしょうか?
そして検査治療範囲は、腸管終端部への命令が邪魔されている可能性がある腰部最下部の交感神経周辺から、食道付近に関連する胸椎4番付近までを検査・治療対象としたのではないかと思います。
ただ症状を止めるのに腐心していた当時の医学に対し、下痢が起こっている身体のメカニズムから治療を考えたスティル博士の真骨頂です。


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