継続的あるいは周期的に繰り返されるあらゆる頭痛の症例において、頭蓋と頚椎の接合部、さらには第四胸椎、ときには腰椎や仙骨、尾骨にまで至る各関節で生じている物理的な閉栓(Shut-off)を私は見出してきた。
骨格と筋肉の双方が示す異常な位置関係こそが、これら諸症状を形成する根源である。“In all continued or periodic headaches I have found the shut-
off in the bones of the neck at their union with the head and in the
other joints as far down as the fourth dorsal and even as far as the
lumbar, sacrum and coccyx. I have found abnormal positions of
both bone and muscle resulting in the production of such effects.”
— Research and Practice
蒸気機関などの機械工学が急速に発展し、多くの複雑な機械が生活に入り始めた19世紀末。
博士自身も医者の仕事の傍らで機械いじりを好み、農機具や生活用品の修理改良を得意としていました。
そんな時代背景の下、博士は身体を精緻な蒸気機関やインフラ基盤(水道配管など)に似た物と捉えて”物理的な塞栓”を説きました。
配管の目詰まりを直すように物理構造を正せば”供給と排出の法則(動脈の法則)”は自ずと正常化する。
ちなみに一方で、目に見えない自然の力を重視する考え方も北米で急速に広がった時代でした。
霊魂との交信から智慧を得ようとしたスピリチュアリズムや、目に見えない自然エネルギーの均衡をとることで健康を取り戻そうとするメスメリズムを始めとしたエネルギー治療も流行していました。
当時の磁気治療などは、そのスピリチュアリズムとメスメリズムが融合した治療法の一つです。
その根本精神は「自然の力を信じ、それに従うことで健康で満たされて生きられる」という考え方。
そこはスティル博士も共通しています。
しかし実際の治療に関しては、医師である博士はエネルギーという言葉を用いることを避け、あくまで物理的肉体的であることにこだわっています。
心は熱く自然の完璧性を信じてそれに従う姿勢、ただし行動は具体実証的。
ここにスティル博士のオステオパシーの魅力がある、と感じています。


コメント